A ready-made demo tape

淡々とした日記

20190622

こないだビアフェスがあった広場で、土曜日は朝市が開かれているので遅い朝ご飯と買い物目当てで出かけた。屋台やトラック(売られているのは野菜、果物、花卉、キノコ、ナッツ、スパイス、チーズ、パン、カヌレ、ワインなど。ケバブやファラフェルなどをテイクアウトできるのもいくつか)がぎっしりと並び、好天と売られているものの色の鮮やかさで目が喜ぶ感じ、どんどんテンションが上がっていく。

コロンビアのアレパ(Arepa)という、トウモロコシから作った薄焼きパンに野菜や肉が挟まれたのを食べた。同じスタンドで果物をその場で搾ってくれるスムージーも売っていたのでキウイスムージーを頼む。野菜と果物の配分がおもしろくて、キウイスムージーだと、キウイ15%・にんじん35%・梨50%という感じで、できあがった色合いはにんじんの要素が強いが、味はちゃんとキウイの風味が感じられる。どのスムージーでも梨が結構基盤になっているのでは?と夫と話した。

生のポルチーニ茸とひまわりを3本買った。ちゃんとJe voudrais trois tournesols.と言えた。(2本でよかったのにdeuxが出てこなくてtroisと言ってしまった)広場は店と客でいっぱいだが、店の数はさほど多くなく、何か見逃しているものはないかなと思いながらもう一周店を見ていると、なんと先週のビアフェスで腰が抜けそうになるほどおいしかったマイクロブルワリーI'Apaiséeというマイクロブルワリーのクラフトビールが売られていた!驚きのうまさだったla Boucaneもあった!蔵元まで買いに行かないといけないと思っていたので、まさかこんなにすぐに・近所で買えるとは思っていなかった。先週のビアフェスで何気なく頼んだらびっくりするくらいおいしかったので是非買いたいと思っていた・・・と言う話をフランス語でできるわけもなく、妙に食い気味でビールを買っていった私たちのことをあのお兄さんはどう思っただろう。

以前、高知のひろめ市場に行ったとき、ずらりと並ぶ野菜や花にやっすー!と歓声を上げていたが東京まで持って帰れそうになく、どこまでも見てはしゃぐだけの迷惑な観光客だったのがつらかった。(東京でものが高いの、結局は輸送コストなんだなということも実感した)

まだおのぼり気分が抜けていないけど、地元の人が買い物をするところで(外国人だということで迷惑にならないようにしつつ)お金を使い、買ったものを家に持って帰って消費できるのは、なんだかすごく痛快だ。

20190621

相変わらず、買う肉買う肉全部にぶっとい骨がついている。

コウケンテツさんの煮物を作ろうと思い、

www.kyounoryouri.jp

骨のついたままの肉を1時間下ゆですると、骨がするっと取れた。

このレシピは下ゆで1時間、味を付けてからさらに1時間煮込むので本当に時間がないとできないけど、1時間下茹ですればこのタイプの肉は骨取れるという気づきがあってよかった。東京でこんな手のかかる料理したことない。でも肉が本当に柔らかくなってよかった。夫も喜んで食べた。

食事を済ませてから、天気も良いので湖畔・繁華街方面まで出かける。日没までが長いとこういうこともできる。小さなパンのかけらを持ってきて、夫は白鳥にパンをやるのに夢中。白鳥も何羽もいると性格の違いがわかる、一番押しの強い奴は夫の前から離れなかった。夫はその押しの強い奴をじらしすぎて咬まれかけていた。

日没直前の、水面がピンク色のキラキラになっている時間帯が本当に好きだ。同じような写真を何回でも撮ってしまう。

湖畔の椅子が座り心地良さそうなカフェバーで酒を一杯ずつ頼んだが、夫の頼んだマティーニは変な味がしたし、ものすごくみすぼらしいプラスチックのタンブラーに入っていていまいちだった。どこへ行ってもビールを頼むのが一番間違いないと思う。

20190620

・森本あんり『反知性主義 アメリカが生んだ「熱病」の正体 』(新潮選書)、Kindle積ん読になっていたのを読み終えた。「反知性主義」という言葉は日本でも目にするようになったけれど、米国で言うところの反知性主義は日本では成立していないと思った。これを読んでから、三井誠『ルポ 人は科学が苦手 アメリカ「科学不信」の現場から』を読むといろいろすんなり理解できるのではないかと期待している。

 

ツイッターで「香菜ときくらげの和え物」という文字列を目にし、好きな者の組み合わせなので絶対においしいと思って、あと昨日ハーブ類が山ほど売られていたデパートのことを思い出して、夕方になってから街中へ出かける。夫の帰宅時間と重なったので夫もデパートに合流させるが、待ち合わせがうまくいかなかったのとくたびれていたのとであまり機嫌がよくなさそう。香菜とオイスターソースを買って帰る。

 

chefgohan.gnavi.co.jp

・和え物の出来映えは・・・私はおいしいと思ったけど、香菜がそれほど柔らかくなかったこと(茎は結構太かった)、きくらげはスーパー②で買った安いやつで、ぶりぶりした食感に欠けたせいで夫の評価はいまいちだった。絶対気に入るだろうと思って作ったメニューへの反応が薄いと悲しい(しかも食材の貧弱さを指摘されると、フォローされたというよりも、この環境でそれを言うか?という気持ちになってしまってつらい)。でも、夫にはこないだ「また作って欲しいかどうか言って欲しい」と明言してしまったので引っ込みがつかない。

 

・いつも使っているトラム、上りと下り(上りと下りという概念が当地にあるのかわからないが)で微妙に止まる駅が違うことにようやく気づいた。ハーブを買いに寄ったデパートからの帰り道、当然往路の下車位置の向かいに復路方面のホームがあると思い、自信満々に歩いて行ったらホームがなく、よく見たらその周辺は車も完全な一方通行になっていた。Google mapsに従ってすごすごと最寄り駅まで歩いた。帰宅してからパソコンで路線図を調べると、確かに駅の位置も名前も上りと下りで違っていた。日本にもこんな路線あるのだろうか。

20190619

※1日1ポストを目指していたのに周回遅れもはなはだしい、毎日の記憶はどんどん薄れていくので、ぼやっとした公式記録みたいになって情けないけど、思い出せる範囲で記録する

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頭痛と身体のこわばりがきつく、朝起きるのがつらかった、今は食べさせてもらっている身なので、夫を見送るのは必ず起き上がって玄関まで立つのだけはちゃんとやろうと思っているのだが、今日は本当に夫が出発する直前に身体を起こすのがやっとだった。

夕方知人宅に招かれているので、何か手土産を持って行かなければいけない(が、ホスト側はもちろん自分よりも現地での生活が長くて、どこの何がうまい、とかの情報には詳しいだろうし下手なお土産は気が引ける)、とか、時間通りにそこまで行かれるか、とか考えていると焦って何も手に着かなくなってトイレばかり行っている。よくこんなんで会社勤めしていたと思うけど、「先の予定がある」というのが本当に苦手だ。この緩い生活を続ける中でそれがもっと悪い方に加速しそうで怖い。

日本人が書いているブログで「甘すぎないお菓子が売られていて我が家のお気に入り☆」みたいな触れ込みの店(昨日の散歩ルート近辺)に行った。思ったよりケーキが大ぶりだったので、指二本でつまめるくらいの大きさのケーキを招待人数より少し多めに買った。保冷剤も緩衝材も入っていない箱(紙袋もない!)を慎重にエコバックに入れたが、気づくと時々縦向きになってしまう。道ばたで鳩の亡骸を見てぎょっとする。

幸い、待ち合わせ時間よりも早く着いたのでデパートのKiehl'sコーナーで洗顔フォームを買う(日本の定価よりも割高)。店員が白衣を羽織っているところや、店頭に骸骨が飾られているところなど、ディスプレイの雰囲気も日本と同じ。以前、リスボンの空港で、ロクシタンの店頭の雰囲気が日本のそれと全く同じでグローバル化・・・と若干薄気味悪く感じてしまったが、今日はかえって安心した。まだ時間があったのでデパ地下を眺める。フレッシュハーブ(束のパクチーとか)が安く売られているので今度買いに来ようと思った。生牡蠣などもあった。

招かれた家は・・・自分の今の住まいも豪華で快適だと思っていたけれど、まじでスペシャルな、1フロア1戸で天井高くて窓からの景色も印象派ですかみたいな感じだった。今働いていない自分が引け目を感じるような話題はなかったけど、何だろう、立派な持ち物(指輪、Apple Watchとか)を見ていると、今はこういう買い物をポンポンとはできないなと思った。でも今の自由な、関心を持たないといけない物事が少なくて済んでいる環境が自分にとっては何よりもありがたいごちそうだ・・・

食事があらかた済んでから皆で外に散歩に行った。夕食が終わってから散歩に行くという習慣が定着しているのが良い。皆東京での生活が長い者どうしなので、空が広いねえとかそんなことを言い合った。夕焼けがいつもにもましてきれいだった。

帰宅がずいぶん遅くなり、駅から家まで一人で帰るのはさすがにちょっとびくびくした。夫が見ていた動画(ブッシュマンが手作業で穴を掘って家を作るやつ)に思わず見入ってしまう(なんでそれを見ているのかはよくわからない・・・)

 

20190618

昨日に引き続きSIM2flyのチャージをLINE Pay経由で実行、ようやく利用再開。でもこれとても便利。夫と海外旅行に行くときはWi-fiルーターを空港で借りて二人で使っていたけど、「ショッピングセンターなどで各々トイレに行ってから落ち合うとき」とかにだいたい夫がルーターを持っていることが多く、音信不通になりがちだった。これまでLINE Payも使っていなかったし、SIMピンもなくしてしまいSIMカードを入れ替えるとかそんな発想も乏しかった、自分がだいぶ進歩した・・・スイス国外に旅行予定の時はまたSIM2flyを使う予定(出発前に前もって数日に分けてチャージしておくのを忘れないこと)。

運動不足解消のため、10,000歩歩いたら帰宅していいことにして、午後からあてもなく散歩に出た。記念碑の前で、お菓子片手にレリーフをスケッチしていると思われる若い女性(アジア系はない)が二人座っていたが、一人が羽織っている半袖の胸に”TOKYO”という文字列が見え、色あいがどう考えてもジャイアンツのビジターユニフォームなので、思わずガン見してしまった。一体誰のユニフォームなのかと思ってそうっと後ろに回ってみると、背番号は25で、名前は髪の毛が長くて途切れ途切れにしか見えなかったが、MURATAではなくOKAMOTOだったので、ここ1年のあいだに入手したのだろう。どういう経緯で彼女の手に渡ったのか・・・あと家からそう遠くないところで古書店を見つけた。自分に読めるものは店内に何もなさそうだけど、古書店があるということだけで嬉しい。

夫の帰宅が連日遅く疲れ切っているので、夫が喜びそうな辛いメニューを用意しようと思って、ガパオライスを作った。ガパオライスや麻婆豆腐など、夫が自分で進んで作るメニューは作るのを遠慮していたが、自分でもやってみたくなった。スーパーで見るからに辛そうな、真っ赤な何か訴えてき(京都の万願寺とうがらしくらいのでっかさ)が安価で売っていたので買って帰る。

参考にしたのはこのレシピ。

www.sapporobeer.jp

肉はひき肉を使った。オイスターソースが家になかったので、しょうゆを入れ、砂糖を少し多めにした。件の唐辛子がよく効いておいしくできた。夫も喜んで食べたので良かった。(ホーリーバジルがどうとか言っていたけれどさすがに見かけない)

20190617

出国する前、当座しのぎのためにAmazonSIMカード(SIM2fly)を買った。経由地のフランクフルトから問題なく使えた。

www.ais.co.th

昨日でちょうど15日が経過したのと、来月から地元の携帯電話会社と契約することにしたので、それまでのつなぎとして、このSIMカードにリチャージし、さらに15日分のパックを購入しようとした。

他のブログなどでSIM2flyアプリのダウンロード・リチャージ(トップアップ)の方法は細かく説明されているが、やることはざっくり3つ(SIM2flyのアプリダウンロード・LINE Payを通じたリチャージ・通信パック購入)。

今日は二番目のLINE Payを通じたリチャージの途中までしかできなかった。自分が購入するつもりの通信パックは799Bahtsだったが、LINE Pay経由のリチャージは一度に最大40Bahtsまでしかチャージできない・チャージは一日に10回までしかできないことが途中でわかった。

・・・で、インターネットに接続していない、丸腰のスマホだけではさすがに不安なので、今日はそんなに遠くまでうろうろせんとこうということで、近くのスーパー①にしか行かなかった。

今住んでいるマンションは月曜だけ清掃が入る、6月以降はキャンセルしたはずだったのだが、うまく連絡がついていなかったようで14時半頃に突然ガチャガチャと鍵を解錠する音がしてびっくりした。入ってきたおばちゃんに、私がやるからノーサンクス、と言ったけどあまり伝わっていないようで、1時間半ほどかけて掃除してくれ、入れ違いに出かけるのも気まずいので、部屋の邪魔にならないようなところでじっとKindleで『ギケイキ』の2巻を読んでいた。喜三太の活躍に惚れ惚れし、死なんといてくれよ死なんといてくれよと思いながら読んだ。

 

20190616

夫、引き続き仕事が終わらない。午後にようやく休みらしい機運になり、Mont Salèveに向かう。家を出てから、バス停を間違えていたことに気づき、さらに一応国境を越えるのでパスポートとユーロの現金もあったほうがよくないかと思い当たり、もう一度家に戻ったりしてどんどん時間が過ぎてしまい、行く前に意気消沈してしまったが、この季節の良いところは 日照時間がめちゃくちゃ長いので午後の遅い時間に出発してもリカバリーがかなり効くところ。バスの終点に着いたのが14時45分とかそんなんでも太陽は傾くどころか十分ギラギラ。山の上へ向かうロープウェイ乗り場に向かって大勢の人が歩いて行く。

(バスの中に大きなハスキー犬が乗っていて、犬がちょっと動くたびに犬の毛が車内に舞い上がった。この街の人は動物にかなり寛容そうなのだが、さすがに多くの乗客があからさまに服をはたいていた。バスは蛇腹でつながっている二両連結で、このハスキー犬ともう一匹別の犬がバスに乗っていたが、乗車時にだいぶお互いにワンワン威嚇し合っていて、車内でトラブルにならないようにか、飼い主はそれぞれ前の車両と後ろの車両に分かれて乗っていた。こういうのもマナーの一環なのだろうか)

 

Mont Salèveは岩肌がところどころ露出指していて、山の形もよくフリーハンドで描いてしまうようななだらかな形ではなくて、もっとごつごつした、あまり日本では見ないような、なんというか、目立つけどからっとした雰囲気。ロープウェイを降りて振り返るとすぐにLac Lémanとその周りに広がる街並みがばっと目に飛び込んできた。湖の西端の都会然とした家並みと、きらきらした水面とボート、むくむくの緑、空。

空については、普通に街中にいてもなお、ただただ広いと思う。湖のそばや橋の上にいるときは勿論のこと、ホテルや集合住宅、オフィスビルもたいした高さのものはないので、開放感が途切れることがない。空が広いと感じるだけで肩凝りが治りそうな気さえする。

レストランやコンクリートの展望台があるところから少し下ると、ふかふかした草の茂った緩やかな斜面に行き当たり、帰りのロープウェイに乗るまでほとんどそこでゴロゴロして、遠方の風景の中に今住んでいるマンションや夫の勤め先が見えないか目をこらしたり(目視で間違いなく確認できたのは噴水と白い観覧車と、サッカースタジアムが限界だった)、パラグライダーに興じる人がその斜面から飛び立つのを眺めたり、ビールを飲んだりした。飛行機が離陸するのも何度も見た(先週の遊覧船は、着陸するやつばかり見えたが今日は着陸するのはよく見えなかったので不思議)。

景色を見ているだけなのに飽きることがないのがすごい、周りで同じようにピクニックしている人も子供以外は基本走り回るわけでもなく静かにくつろいでいた。パラグライダーがうまく離陸するとちょっと拍手が起きた。

目に入るものをすべて忘れたくなくて、居ても立ってもいられないような気持ちになるし、一方で、この先大して成り上がることもないだろうが、景色(の記憶)だけは自分のものだ、と思って妙に安心したりもする。

帰宅してからまたキャベツと豚肉と春雨の炒め物を作って食べた。

 

追記:わざわざ取りに帰ったパスポートは出番なし。バスの終点の停留所の名前は「税関」という意味らしかったし、バスを降りてしばらく歩いていると高速道路の料金所みたいなのがあって、パスポート見せろと言われるとしたらここだなという感じがしたが、日曜だったせいか誰もいなかった。EU圏内の空港のimmigrationで押されるスタンプには飛行機のイラストが入っているが、徒歩で通過した場合どんなアイコンになるのだろうか・・・